朝陽が。 ついさっきまで、藍色や薄紫、そして淡いオレンジ色のグラデーションが、たなびくように浮かんでいたほの暗い闇をなぎ払うように、金色の光が輝き始めていた。 おれはシャワーを浴びたばかりの身体にだぶだぶのバスローブを巻き付けて、寝室の大きな窓からそれを見ていた。 「……ユーリ」 背後から呼び掛けられる。 その声が何となく、昨日までと違った色を纏っているような気がするのは……気のせいだよな、きっと。 呼び掛けられはしたものの、照れくさくて振り返れなくて、たっぷりとしたバスローブを引き上げて赤くなっているだろう頬を隠した。 ふわり、と頭に何かが被さる。 「髪がびしょ濡れですよ。……ああ、じっとして」 コンラッドの大きな手が、おれの頭を包んだバスタオルを優しく、ゆっくりと動かす。 時折、おれと同じくバスローブを羽織ったコンラッドの腕や、胸が、おれの身体に当る。 その感触に、おれの頬はどんどん熱くなっていく。 ますます強くバスローブを頬に押し当てて、おれはただじっと、朝の輝きが地上を満たしていく様子を見つめていた。 布を通さない肌の感触。 その心地よさを、おれは学んだ。 人の肌が、暖かい肌に全身を包まれるように抱き締められることが、あれほど気持ちの良いものだとは知らなかった。 何だろう、あれは。……もしかしたら、母親の胸に抱かれた赤ん坊の頃の記憶、なのかもしれない。 あの、何もかも放棄して、微睡みたくなるような安心感。安堵の息と共に感じる解放感。 そして、こんこんと水が湧き出るように胸に溢れる、とてつもなく幸せな気持ち。 ベッドの上で横たわるというひどく無防備な形で、世界で一番好きな人と身体を重ねる歓びと、そして………痛み、を、コンラッドはおれにゆっくりと時間を掛けて教えてくれた。 夜明け前、ふと目が覚めて、おれを見つめる銀色の星に気づいた瞬間、おれの中に湧き上がったのは、この人が好きで好きで好きで好きで大好きなんだと再確認する気持ちと、そして自分でも信じられないほどに強烈な、独占欲、だった。 おれのものだ。 この星も、顔も、ブラウンの髪も、傷だらけの身体も手も、そして声も、何より魂も、全部全部おれのものだ。誰にも渡さない。どんなに遠く離れても、もしも死というものがいつかおれ達の間に割り込んだとしても、それでもおれ達は、おれとコンラッドは、永遠に一つ、だ。 そう確信した。 「ユーリ?」 コンラッドが囁く。 おれは勇気を振り絞って、後ろを振り返った。 ………光の中に、コンラッドがいた。 ふっと微笑む姿がとってもキレイで……カッコ良い。 たまらなくなって、そのたまらない衝動のままに、おれはコンラッドの胸に飛び込んだ。 「ユーリ……」 声が、耳にも胸にも気持ちいい。全身に気持ち良い。 愛してるとか、おれだけのコンラッドだとか、ずっとこうしていたいとか、色んな言葉で表される色んな思いが、おれの中でものすごい渦となっておれの思考を掻き回している。 先ず何を、どう言えば良いのか、最初に伝えたい言葉は何なのか、混乱した頭から何も答えが出てこない。 「……あ、あの……コンラッド、あの、あ……」 もうすぐ離れなくちゃならない。もうすぐ。 だから言わなきゃ。伝えたいと思う気持ちを全部。迷ったり隠したりする余裕はないんだから。 「あの、えっと、あの、あ、あ……」 コンラッドはおれの目を覗き込んで、ただじっと言葉を待っている。 「あ、あああ、あの、あー……赤ちゃん! できるかなっ!?」 ………何言ってんだーっ、おれはっ!! コンラッドの目が、きょとんと瞠かれる。 おれってばっ、おれってばっ、おれって…………でも。 おれ………赤ちゃん産めるはずだし。 そう……だ。 おれ、コンラッドの子供を産むこともできるんだ……っ!! それに気づいたら、何だか無性に胸が弾んできた。 思いついた考えに堪らなく嬉しくなってコンラッドを見上げれば、どこか呆気にとられた表情でコンラッドがおれを見ていた。 「おれ、産むから! いっぱい産むから…っ! 2人で眞魔国に『ウェラー卿』をいっぱい増やそうな!」 コンラッドの目がますます大きく瞠かれた、と思った瞬間、おれはすごい勢いでコンラッドの胸に抱き締められていた。 「……ユーリ……」 コンラッドの声が、何かを押し殺しているかのように震えている。 「ユーリ……」 「だから……コンラッド……」 コンラッドの背中に両手を回し、ぎゅっと抱き締めて、おれはコンラッドの胸に顔を押し当てた。 「だから……絶対帰ってきて、な? 一刻も早く帰ってきて。おれ、待ってるから。だって、おれ……」 見上げる。見上げて笑いかける。おれの……。 「……おれさ、おれ……もう、コンラッドのお嫁さん、だよな…?」 わーっ、わーっ、わーっ! おっ、おれ、なななな、なんて恥ずかしいことをーっ!! 「……わっ、忘れて、忘れて、聞かなかったことにして! おおおれっ、なんか混乱してるからっ! だからそのっ、さっきからおれが言ってること、ぜ、ぜんぶ忘れて……っ!!」 その瞬間、燃え上がるように熱くなった身体を、コンラッドがさらに強く抱き締めてくれた。 「……頬が熱いね。バスローブを着てても分かる……」 コンラッドの胸に押し付けた頬っぺたがカッカと火照っているのが、おれにも分かる。 「ユーリ」 耳に直接吹き込まれる、吐息のような声。 「嬉しいよ。……ありがとう」 臣下でも、保護者でもなく、恋人、いや違うぞ、お、お嫁さん、への言葉。 「………コンラッド……」 バスローブに顔を擦り付ける。 「無事でいて、ね? 怪我なんかしないでね? 待ってるから、おれ、コンラッドが帰ってくるのをずっと待ってるから。だから……必ず帰ってきて。……い、一日でも、一分でも……一秒でも早く。帰ってきて……! お、おれを……絶対……ぜった、い……」 1人で置いていってしまわないで。 最後の言葉は、声にするのも怖くて口から出なかった。 「ユーリを残して消えたりしない」 おれの飲み込んだ言葉が聞こえていたかのように、コンラッドが答えてくれた。 「俺も……ユーリと2人で生きていきたいから。だから絶対、帰ってくる。絶対に……帰ってきます」 ユーリの下に。 その言葉と同時に、おれ達は互いを力を込めて抱き締めた。 おれは、うんうん、と何度も頷いて、こみ上げてくるものを必死で耐えた。 「………おれ、泣かない、から。もう絶対泣かないから……! で、でもって、王様らしく笑ってコンラッドを……送り出す、から……! だから……」 今だけ。 コンラッドがバスローブを着ててよかったと。これが厚いタオル地でしみじみよかったと。コンラッドの胸に顔を押し当てながら、おれは心の隅で思っていた。 「……見事に…使命を果たして、そして…帰ってきて、下さい。無事を祈っています、から……」 元気で、ウェラー卿。 コンラッドがおれに向かって深々と礼を、臣下としての完璧な礼をする。 そしてゆっくりと上がったコンラッドの視線と、おれの視線が、その一点でぴったりと合う。 泣かないと約束したのに、喉元に競り上がってくる熱いものが、今にも口や目から溢れだしてしまいそうだ。 でも、頑張る。 こんな約束も守れない情けない姿を見たら、コンラッドだって心配する。おれを心配したまま遠い場所に旅立つのはきっと辛いはずだから。……って、何だ! 遠い場所に旅立つって! 縁起でもないっ! コンラッドが短いような長いような時間、おれの目を見つめて、それから小さく微笑んだ。 おれも笑みを返した。 笑顔を作るのはものすごく難しくて、たぶんそれはかなり歪んでいたんじゃないかと思うけれど、それでもその時おれが浮かべることのできる、精一杯の笑顔をコンラッドに贈った。 行ってらっしゃい。 唇だけを動かすような小さな呟きだったのだけど、その瞬間コンラッドははっきり頷いてくれた。 行ってきます。 コンラッドの唇がその言葉を形作る。だからおれも、しっかりと頷いた。 そして。 コンラッドは城門に殺到したたくさんの人達の見送りを受けながら、シマロンに向かって旅立った。 その姿を、おれは城門を見下ろすベランダからずっと見ていた。大広間での挨拶もそうだけど、こういう時すぐ側で別れを惜しむことのできない立場であることが堪らなかった。どうしておれはあそこにいられないんだろう。コンラッドを抱き締めて、抱き締め合って、そうして送り出すことができないんだろう。 分っているのに。悔しくて……切なかった。 馬上でおれに向かって敬礼し、城にすっと背を向けたかと思うとそれきり振り返らずに前へ進むコンラッドの姿を、おれはベランダの上から、その背中が見えなくなるまでずっと見ていた。見えなくなっても、まだずっと……。 コンラッドの姿を見ることはできなくなったけど、眞魔国は相変わらずだ。 おれはといえば、グウェンやギュンターがちょっと吃驚するほど頑張って仕事をしている。その姿を、皆は寂しい思いを紛らわせようとしているのだと解釈してくれたらしい。 実際、会話の最中に同意が欲しくて、思わずコンラッドの名前を読んで振り返ったり、朝、クラリスに起こしてもらう時、寝惚けてコンラッドを探したり、ということが結構長く続いたから、それも仕方がないか。 「ユーリ」 書類の内容を必死で読み込もうとしているおれの頭の上から声が掛かった。 「お前が欲しいと言っていた資料だ。だが読めるのか? かなり専門用語が多いのだが……」 数冊の本を手に、ヴォルフがおれを見下ろしている。 おれを見つめるいつも通りの、何も変わらない瞳。そこには怒りも何もない。 おれは、おれを見守ってくれるヴォルフの不器用な優しさと、意外なほどの懐の深さに、心から感謝していた。 それはどういうことかと言うと。つまり。 コンラッドが出立したその日の内に、おれはいわゆる爆弾発言をしたのだ。 コンラッドの実質お嫁さんにしてもらったことを、グウェンとギュンター、ヴォルフ、ヨザック、クラリスというおれの信頼する側近達の前で、きっぱりはっきり宣言、というか、カミングアウトしたわけだ。 コンラッドのお嫁さんになったというのにヴォルフと婚約したままでいるのは、コンラッドにも、そしておれの大切な親友であるヴォルフに対しても不誠実だと思った。それに、おれとコンラッドは、あー、その……愛しあって、いるわけだし、愛しあうということは素晴しいことのはずなんだから、胸を張ってそれを主張したいとも思ったわけだ。 とにかく、おれ達は不倫をしているわけではなく(…だろ? だよな?)、純粋に恋に落ちて、愛を確かめあった(………くはーっ!! 顔が熱いっ!)というごくごく自然な恋人、いやいや、ご夫婦なのだから、何一つとして後ろ暗いところはなく、隠す必要など全くない! と思った。 そして同時にそれは、まあ、そのー………ある意味、おれの独占欲から発したものでもあり、そしてまた……自慢したかったのかもしれない。 コンラッドはおれのもんだぞー! と。 結果。 「おれ、コンラッドにお嫁さんにしてもらったから!」というおれの叫びは、ギュンター1人の絶叫を呼んだだけに終わった。なぜかグウェンもヴォルフも、そしてヨザックもクラリスも、驚いた顔を見せなかった。 ただ、殴り飛ばされる覚悟をしてヴォルフに婚約解消を頼んだのだけど、それは叶わなかった。 コンラッドと決着をつける。それまでは婚約解消しない。そう言い切ったヴォルフの雰囲気は取りつく島もないという感じで、おれはすごすごと引き下がることしかできなかった。 もしヴォルフがいつものように「尻軽! 浮気者! へなちょこ!」と目を釣り上げて喚いてくれたら、おれももっと頑張れたかもしれない。だけどヴォルフは信じられないくらい冷静で、声を荒げることもなく、でもそのあまりにもきっぱりとした態度に、おれは鋼鉄の壁に弾き返されたような無力感を噛み締める以外何もできなかった……。 その翌日から、おれはいつも通りに仕事をした。 ギュンターは一晩経っても目眩が治まらないようだったけど、グウェンとヴォルフとヨザックとクラリスは、全く態度を変えなかった。まるでおれとコンラッドの事を最初から全部分っていたみたいな冷静さだった。もちろんそんな筈はないんだけど。 ちなみに、執務室はいつも通りだったけど、城の中、それから王都、でもって国内、は、とんでもない嵐が吹き荒れていた。らしい。 おれの「コンラッドとご夫婦になりました!」発言を、シンニチがすっぱ抜いたんだ。 ………執務室でした話を、どうやってその日の内に新聞社がスクープできるのかは永遠の謎だ。 シンニチはおれとコンラッドの「愛の軌跡」とやらを特集してるし(……どこからその「軌跡」情報を手に入れるんだ!? リークしてんのは、どこのどいつだっ! っていうか、「信頼できる情報筋」って何だっ。某メイドとか某兵士とかはまだいい! でも、ウェラー卿と古いつきあいの某情報部員とか、某毒女とか、某軍曹ってのは誰だっ! 何で、「陛下のことは誰よりご存知であられる大賢者猊下のお話によると」なんて一文があるんだっ!? 誰かおれに説明しろーっ!)、それから……これだ。 「ウェラー卿がお戻りの暁には、ぜひ陛下との愛の賛歌を合唱してお迎えしたいと存じます! つきましては、合唱団の団員募集と歌詞の公募に関してのご許可を賜りたく……!」 満面に笑顔で執務室にやってきたのは、「眞魔国広報局」と「眞魔国祭事祭礼いべんと統括企画運営局」のスタッフだった。 ………広報はいい。祭事祭礼もいい。だけど! いべんとって何だ、いべんとって! 眞魔国官僚の中でも並外れたお祭り好きを集めて設置された「眞魔国祭事祭礼以下略」、通称「いべんと局」別名「お祭り局」は、コンラッドが旅立った翌日から一気に動きだした。コンラッド帰還の日に向けて。 「合唱の他にも、現在陛下とコンラート閣下の愛を記念したいべんとを、52種類ほど企画しております! まだまだぞくぞくと企画案が集ってきております! どうぞご期待下さいませ!!」 ……コンラッドが帰ってくるまでこのテンションを維持するつもりなんだろうか。もしそうなら大したモンだと、おれは何となく生ぬるさを自覚した視線で、目の前の満面の笑みを浮かべるスタッフを見つめてしまった……。 そうしておれは、仕事をこなし、その勢いをここ数日さらに増してがんばっている。 おれが仕事に没頭しているのは、皆が考えている通り、寂しさを紛らわせているということもないわけじゃない。もちろんそれはある。ただ……。 コンラッドがいなくなって寂しくて。ただもう座っていることも立っていることも、そして身体を横たえることすら辛くなるほど寂しくて、おれは、ある日性懲りもなく城を抜け出した。 いわゆるプチ家出だ。 そこでとんでもない嵐に巻き込まれたのは、眞王陛下の罰だったのか、それともー……手助けだったのか。 おれは風雨を避けて駆け込んだ小屋で、ひと組の親子と、それから1人の女性に出会った。 女性、もうすぐできる新しい組織で働いてもらうことが決まっているその女の人が、おれに言ったんだ。 『会いたいなら、会いに行けばいいじゃない』 何と言えばいいのかー……目からウロコの一言だった。 ずっと待ってる。自分が発したその言葉が、おれを縛る鎖になっていたことに気づいた。 会いたい。だから会いに行く。 王様としての立場がある。行く手には危険が満載だ。でも……王としての自覚が今ほどじゃなかった頃は、おれ、やってたじゃないか。好奇心だとか正義感だとか、適当な名前をつけた衝動に身を任せて、渦の中に飛び込んでいたじゃないか。それがさらなる混乱を呼んだこともあったけど。でも、それでも。 コンラッドに会いたい。だから会いに行く。そう決めた。 だからせめて、こっそりやってる準備が整うまで、少しでも皆に迷惑を掛けないよう、後に残す面倒をちょっとでも減らすよう、バリバリ仕事を片付けることにした。 コンラッド、おれはがんばるぞ! 「ユーリ」 グウェンが珍しく穏やかな表情で近づいてくる。 「ヴォルテールから、園芸農家の一行が登城しているぞ」 あっ、と上げた声が思わず弾んでしまう。 「来てくれたんだ!」 ああ、とグウェンが頷いた。 「主である老人と孫娘、それから弟子だというのが数人だな」 「お爺ちゃんも来てくれたんだ! 遠いのに悪かったなー。……今客室? おれ、すぐに会いに行きたいんだけど……いい?」 「ああ、別に構わん。……あの老人は私も見知っている花作りの名人だが、王城に呼ばれるのは初めてだろう。全員揃ってガチガチに緊張していたらしい。労ってやれ」 「分った!」 園芸農家とは何だ!? 何をするつもりだ!? ヴォルフの声を背中で弾き返しながら、おれは客間に向かって走った。 ボールパークに向かう道程。 そこは自然がいっぱいで、延々と広がる野原や、あるかなきかのなだらかな丘陵が続く、それはもう気持ちのいい田園地帯だ。 ボールパークがあることもあって、道の周辺は基本的な手入れこそされてはいるものの、ほとんど自然のままになっている。 その一部分に。 おれは、ひまわり……じゃなくて「ミツエモン」畑を作りたい! と思いついたんだ。 写真や映画やテレビで見て、いつかこの目で見てみたい、その地を訪れてみたいと心密かに願っている場所が幾つもある。コンラッドも訪れた一面のひまわり畑は、間違いなくその一つだ。 それを、眞魔国で実現させたい! 夏の青空。燦々と輝く太陽。吹き渡る風。ボールパークへ向かう人々の笑顔。 そして彼らを見送る、 見渡す限りいっぱいのひまわり、じゃなくてミツエモン。 ……ちょっと自分勝手な夢、かな? でも前にネットで調べてみたら、ひまわりの種は食べられるし、ひまわり油が採れるし、その油は食用になるのはもちろんだけど、石鹸や塗料の原料にもなるとあった、から〜……ミツエモンもひまわりと同じような花なら、民のために役立てることもできる、よね……? とにかく! おれはお爺ちゃんに協力してもらって、ひまわー……ミツエモン畑を作る! そして、いつか。 いつか。 コンラッドと2人でミツエモン畑を散歩するんだ。 シマロンに平和が戻って、コンラッドが帰ってきて、何もかも元通りになったら。 コンラッドと、おれと、2人で、手を繋いで、そして青空の下のミツエモン畑を散歩する。 それからボールパークに行こう。 野球を愛するたくさんの人達と一緒に、グラウンドの中の選手達に声援を送ろう。 戦争も、一滴の血も必要としない、ただ笑顔と歓声があればそれで充分な英雄達に。 コンラッド。 おれ、がんばる。 慌ててついてきたらしいヨザックとクラリスの足音を後ろに聞きながら、おれは客間に向かって走った。 おしまい。(2007/07/14) プラウザよりお戻り下さい
恋・エピローグ
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