氷川 樹様より、陛下御生誕記念のSSをお贈り頂きました!
本当はお誕生日前に頂いていたのです。なのに、私ときたら忙しさにかまけてアップするのがこれほど遅くなってしまいました……。
本当に申し訳ありませんっ。
御生誕日の夜、陛下とコンラッド、2人だけで何を語り合うのか……。
とってもすてきなお話です。
氷川 樹様、本当にありがとうございました!

祝福の日

「御せい短縮がかい?」
 真夏の執務室に、意味不明な有利の言葉。それにフォンヴォルテール卿グウェンダルの眉間の皺が、1ミリ深くなった。
「なにそれ」
「漢字の変換が違いますよ、陛下」
「陛下って言うなコンラッド」
「失礼、有利」
 そんな有利たちのいつものやり取りに、グウェンダルの眉間の皺がさらに深くなる。
「で? 短縮って、なにを短縮するんだ?」
「短縮ではない。御生誕、祝賀会だ」
 有利の言葉を訂正するように、グウェンダルが主要部分を区切って正しい言葉にする。
「御生誕祝賀会って……なに?」
 ちょっと間の抜けたその問いかけに、ギュンターがずり落ちかけた眼鏡を直した。
「御生誕祝賀会とは、その字の通り誕生日を祝うものでございます」
「ふーん。で、だれの?」
 もはやわざとなのか天然なのか。区別のつかない有利の言葉に、コンラートは小さく笑った。
「陛下…っと、失礼。有利の、ですよ」
「おれぇ!?」
 思ってもいなかった言葉に、有利が素っ頓狂な声をあげた。
「今月は、陛下がお生まれになった月でございます」
 ギュンターの言葉に、有利はあんぐりと口を開けたまま部屋中を見回した。
 ギュンターはすでにトリップしているようだし、ヴォルフラムは前で腕組みをしてうんうんと頷いている。
グウェンダルは眉間に皺を寄せたまま、なにかの企画書を真剣に見つめている。そしてコンラートは。
 目が合うと、にっこりと微笑まれた。
「陛下のお誕生日には、国内外から多くの客を招いて祝賀会を開催する次第でございます」
 国内外からって……たかが自分の誕生日に、国をあげて祝う必要があるのか?
 そんな疑問が判ったのか、グウェンダルがじろりと有利を見た。
「おまえは王だ。そのおまえの誕生日を国が祝うのは当然のことだろう」
 当然のことと言われても、国民の皆さんの税金で誕生日を祝ってもらうというのは、どうにも気がひける。
「祝賀会は国をあげての祭りになる。おまえのために、国中からこの王都に人と贈り物が集まってくるんだぞ」
 自分のことじゃないのに得意気なヴォルフラムの言葉に、有利はさらに顔を顰めた。
「陛下が即位なさってから、眞魔国でお誕生日を迎えるのはこれが初めてでございます。ですから、宴は盛大に行いたいと思っております」
 両手を胸の前で組んだギュンターが、うっとりと宙を見つめている。すでにギュンターの頭の中では、有利の誕生日を祝う宴が開催されているのだろう。
 祝ってもらうのは嬉しいが、そんな大袈裟に祝ってもらうことに慣れていない身としては、なんとも複雑な心境である。
「国内外から多くの客が来るからな。今から準備を始めても遅いくらいだ」
 そのヴォルフラムの言葉に、有利は大きなため息をついた。
「なぁ、ギュンター」
 うっとりと別の世界に行ってしまっている王佐を、有利はそっと呼んだ。
「は……はい。なんでございますか、陛下」
「それって、ほんとにやんなきゃダメなのか?」
 コンラートを除く6つの目が、一斉に有利を見た。そして訪れた、暫しの沈黙。
「……はい?」
「なにを言っているんだおまえは!」
 ギュンターの疑問符をかき消すように、ヴォルフラムが声を荒げた。
「おまえは本当にへなちょこだな! おまえの誕生日だぞ! それをぼくたちが祝ってなにが悪いと言うんだ! ユーリは王だ。国民が王の誕生日を祝うのは当然のことだ!」
 いや、だから悪いと言っているのではなくて……。
「祝賀会といっても立派な外交の場だ。おまえ一人の問題ではない」
「グウェンダルの言う通りでございます。陛下のお誕生日を盛大に祝うことは、この眞魔国と友好国との親密さを内外に知らしめる場でもございます。こう申し上げては失礼になりますが、陛下お一人のためでの祝賀会ではございません」
 続いたグウェンダルとギュンターの言葉に、有利は反論もできなかった。
 自分としては、そんな国をあげての一大イベントにしてほしくないのだが。
 助けを求めるかのように、コンラートへと視線を移す。
 目が合うと、コンラートはその口元に微苦笑を浮かべてゆっくりと、首を横に振った。それに、有利の肩ががっくりと落ちる。
 どうやっても、その祝賀会とやらからは逃げられないらしい。
 暑い執務室に、有利のため息が零れ落ちた。


「みんなに祝ってもらうのは嫌ですか?」
 執務を終えて戻った魔王専用の寝室で、突然コンラートが問いかけてきた。
 ヴォルフラムは祝賀会の責任者に志願して、まだギュンターたちと打ち合わせをしている。
「嫌って言うか……申し訳ないって言うの?」
 ぽすん、とベッドに腰をかけ、足をぶらぶらさせる。
「なぜです?」
 自分を見つめる目は、どこまでも優しい。その瞳になぜか心が苦しくなり、有利はそっと俯いた。
「だっておれ、まだまだへなちょこなのにさ。国民の皆さんの税金で祝ってもらえるほど、立派なことしてないのに……」
「そんなことはありませんよ」
 間をおかずに返ってきた言葉に、俯かせていた顔をあげる。
 自分を見つめる瞳は、やはり穏やかで優しいものだった。
「コンラッド?」
「有利はよくやっていますよ。それに、人間の国とも友好関係をたくさん結んできたじゃありませんか」
「でも……でもさ!」
 それは偶然の産物であって。たまたま自分の回りには優秀な人材が揃っていて、たまたま運がよかっただけのことであって。でも友好関係を結んでいない国もまだたくさんあって。
 自分は本当にいい王なのか。自分が王で、本当にこの国のためになっているのか。国民は幸せになれるのか。
 そんな不安が、いつも付き纏っていて。
 だれかを犠牲にしなくては、自分の掲げる理想を実現できないのなら。大好きな人を傷つけて苦しませることでしか、理想の世界を実現できないのだとしたら。
 それは、王として失格なのではないのだろうか。
 また俯いてしまった有利の手を、コンラートがそっと握った。
「国民のだれ一人として、あなたを王失格だとは思っていませんよ。もちろん、ギュンターやグウェンや俺もね」
「……コンラッド」
 真摯な瞳が、その言葉が嘘ではないことを雄弁に語っている。
 その言葉に泣きたくなって、有利はまた俯いた。
「みんな、あなたがこの世に生まれてきてくれたことに感謝こそすれ、それ以外のことなど微塵も思っていませんよ。それに、この国の人は元からある意味お祭り好きですからね。なにかにつけて祭りを、と思っているんです。あなたの誕生日を祝うのは、国民の間で自然に始まったことで、俺たちがそうしろと言ったわけではないことだけ判ってもらえますか?」
 自然に始まった?
「そうなのか?」
「はい」
 力強く、コンラートが頷いた。
「みんな、有利が生まれてきてくれたことを心から喜んでいるから」
 その言葉に胸が熱くなった。自分は望まれてここにいるのだと。ここにいていいのだと、そう言ってもらえているようで。
「そっか……。なら、嬉しいな。でも……」
「でも?」
 続けた言葉に、コンラートが不思議そうに首を傾げた。
「でもおれ、やっぱ庶民派だからさ。こんなに大袈裟に祝ってもらうことに慣れてないっていうか……大好きな人たちから質素に祝ってもらうほうが落ち着くかな」
 そんな有利の言葉に、コンラートがおかしそうに笑った。



 華やかな会場、華やかな音楽。
 血盟城の大広間では、優雅な宴が開かれている。玉座に座る有利の元には、ひっきりなしに祝いの言葉を述べる者たちが訪れていた。
 祝いの言葉を貰うのは嬉しい。だが、過剰な美辞麗句には辟易としてしまう。やっぱりこの世界の美的感覚はおかしいと、改めて有利は思った。
 宴もたけなわとなり、有利への祝辞を述べる者がいなくなった頃、コンラートが有利の隣に立った。
「有利、こちらへ」
「コンラッド?」
 差し出されている手とコンラートを、有利は交互に見つめた。
 宴はまだ続いている。それなのに、一応今日の主役がその席を抜け出してもいいのだろうか。
「大丈夫です。グウェンには話をしてありますから」
 いったいいつの間にそんな話をしていたというのか。
 いつも思うことだが、コンラートは自分の思うことを先回りしてくれる。いくら彼が自分の名付け親だからといっても、そこまで自分の考えを読めるものなのだろうか。
「それとも、まだここにいますか?」
 その問いかけには、勢いよく首を横に振る。自分の誕生日を祝う席だといっても、こんな堅苦しい場所とは一秒でも早くおさらばしたい。
「なぁ、どこ行くんだ?」
 コンラートにエスコートされながら、有利は城の長い廊下を歩いていた。見回りの兵士が自分たちに向かって敬礼をしながら、なぜか小さくガッツポーズをしている。それに首を傾げながらも、有利はその理由をコンラートに問うことはできなかった。
 たぶん、聞いても答えてくれないような気がしたので。
 それにしても。
 有利はそっと首を傾げる。
 コンラートはいったいどこまで自分を連れて行こうというのか。自分たちが向かっている場所は、自分の部屋からもコンラートの部屋からも遠く離れている。
 そんなことを思っていると、とある一室の前でコンラートがその歩みを止めた。
 大広間の喧騒も、ここまでは聞こえてこない。静かな廊下には、自分とコンラートの二人だけだ。
「コンラッド?」
 問うように隣にいる彼を見上げれば、どこまでも優しい笑みをコンラートが浮かべていた。
「中へ入れってこと?」
 その自分の問いに、コンラートは笑みを深くしただけだった。
 首を傾げながらも、有利はその部屋のドアを開けた。
 大きな窓からは、十三夜の月が見える。
 暗闇に慣れてきた目に、部屋の中央にある小さな白い塊が映った。
 小さな音を立てて、ドアが閉められる。
 有利をその場に残し、コンラートが部屋の中央へと向かった。
 カチカチと、小さな音が静かな部屋の中に響いたあと、仄かな明かりがぼんやりと室内を照らした。
 中央にあるテーブルの上には、小さなデコレーションケーキがひとつ乗っている。そこに立てられている蝋燭の数は、自分の歳と同じ数。
「……コンラッド」
 入り口に立ち尽くしたままの有利に、コンラートが手を差し出した。
「有利」
 どこまでも優しいその声に導かれるかのように、有利の足は迷うことなくコンラートへと向かった。
 差し出された大きな手に、自然と自分の手を重ねる。それが、当然のことのように。
「今年はこれしか用意できませんでした」
 残念そうに微苦笑を浮かべるコンラートを、有利は無言のまま見上げた。
 銀の虹彩を散りばめた綺麗な瞳に、自分の姿が映っている。そのことに、こんなにも安堵を覚えるのはなぜだろう。
「これ……」
 月明かりと蝋燭の淡い光が照らし出す、小さな世界。そこにいるのが自分たちだけだということに、有利は軽い眩暈を覚えた。
「質素に祝ってもらうほうがいいんでしょう?」
「覚えてたんだ……」
 たわいもない会話だったのに、覚えてくれていたことが嬉しい。
「有利のことですからね。それに、いつでも有利のことを思っていますから」
 その言葉に、顔が真っ赤になるのが判る。こういう特別な日に、こういうシチュエーションと言葉は反則だと思う。
 これが、いつまでたっても自分がコンラートに敵わない理由。
 赤くなった顔を見られたくなくて、有利は悔しそうに唇を噛んで俯いた。
 たかだか十数年しか生きていない自分が、人生経験豊富なコンラートに敵うわけがないと判っていたはずなのに。
 経験値の差を改めて実感させられて、ますます悔しくて切なくなる。
 コンラートは、自分の想いを知っているのだろうか。気づかれないよう自分なりに努力をしてきたつもりだが、なぜか彼には隠し事ができない。だから、きっと気づかれているかもしれない。
 一度は自分の傍から離れた人。有利のために、傷つき苦しんだ人。その人に、自分の想いはきっと重荷になるだろう。
 縛りたくない。足枷になりたくない。自由でいてほしい。有利のためではなく、コンラートのために彼の人生を歩んでほしい。彼の道を進んでほしい。
 その過程で彼がお似合いの相手を見つけても、自分には彼の幸せを奪う権利などない。
 そう、判っているのに……。
 どうして、こんなにも胸が苦しいのだろう。
「有利?」
 心配そうに覗きこんでくるコンラートに、有利はなんでもないのだと首を振る。
「迷惑でしたか?」
「そんなことないよ。すげー嬉しい。ありがとな、コンラッド」
 うまく笑えただろうか。嬉しいという気持ちが、ちゃんと伝わっただろうか。
 コンラートの手が、有利の両頬を包みこんだ。
「どうして、そんな泣きそうな顔をしているんです?」
「嬉しいからだよ」
 これは本当。コンラートが、自分のために祝ってくれることが本当に嬉しい。泣きたくなるくらいに。
 コンラートの瞳に、自分の瞳に映る彼の姿が見える。そのことにいたたまれなくなって、有利は目を伏せた。
 このまま見つめられたら知られてしまう。ずっと隠してきた想いを。
 知られたくない。知ってほしい。知られたくない。
 エンドレスなその思考に、しきりに視線を彷徨わせる。
 不意に。
 唇に、あたたかななにかが触れた。
 有利の目が驚愕に見開いた。
 目の前には、瞳を閉じたコンラートの顔。
 やがて、ゆっくりと二人の距離が離れる。
「……な……んで……」
 信じられない思いで、有利はコンラートを見た。
 彼は今、自分になにをした? どうしてコンラートは、そんな苦しそうな顔をしている?
「好きです」
 その言葉に、有利は小さく息を呑んだ。
「あなたが好きです」
 なにか言わなくては。しかし、口の中が乾いて言葉が出ない。なにを言っていいのかも判らない。
 気づいたときには、コンラートに抱き締められていた。
「好きです、有利」
 これは夢だろうか。そうだ、夢に違いない。だって、自分の誕生日にコンラートから告白されるなんて、そんな都合のいい現実があるはずがない。
「おれ……いつの間に寝ちゃったんだろ」
「夢ではありません」
「うそだ……」
「嘘ではありません」
 背中に回された手に、力が籠められた。
「だって……だってそんな……」
 自分は彼のことが好きで。でも彼にとっての自分は、主君で名付け子で、ジュリアの生まれ変わりで。
 そう、ジュリアの……。
「おれは……ジュリアさんじゃない……」
「当然です。有利はジュリアじゃない」
 その言葉に、有利はコンラートの上着の胸元をぎゅっと握った。それを合図としたかのように、有利を抱くコンラートの腕の強さが増した。
「有利は有利です。それ以上でもそれ以下でもない」
「おれ……」
 どうしていいのか判らない。こんな経験は初めてで、自分がどうしたいのかも判らない。ただ、この腕にすべてを委ねてしまえたら、どれだけ幸せだろう。
「コンラッド。おれは……」
「好きです」
 何度も囁かれる言葉。繰り返される、思いもしなかった一言。
 ずっと欲しかった、言葉。
 言わなくてはいけない。自分も同じだと、そうコンラートに伝えなくてはいけない。
「おれは……」
「無理に言わなくてもいいですよ」
 判っているから。
 その言葉に、またしても顔が赤くなる。
 やはり知られていたという事実に、どこかほっとしている自分がいる。それと同時に襲ってきたのは、どうしようもない羞恥。
「…………知ってたのかよ」
「確信ではありませんでしたが」
 コンラートが、少し切なそうに笑った。
「すみません。有利には迷惑になるから、言うつもりはなかったのですが……」
 迷惑? 迷惑とはなんだろう。自分は、こんなにも嬉しいというのに。
 またしても降ってきた思いがけない言葉に、有利は問うようにコンラートを見つめた。
「迷惑って……」
「迷惑でしょう? 俺はあなたの臣下だ。そして、あなたを傷つけ苦しめた。そんな俺から想いを寄せられても、有利には迷惑でしかないでしょう?」
 おかしい……。先ほどから、おかしな方向に話が進んでいると思うのは、果たして自分の気のせいだろうか。
 有利のいう「知っていたのか」という言葉は、自分の想いをコンラートが知っていたのか、という意味だった。だがコンラートは、まったく逆の意味に捕らえているようで。
 今ここでコンラートの言葉を遮らなければ、彼はきっと自己完結してしまう。
 有利は焦った。だが焦ったことで、かえって言葉が喉の奥にはりついて声にならない。
 懸命になにかを言おうとする有利を見て、コンラートが諦めにも似た微苦笑を浮かべた。
「無理に言わなくてもいいから」
「……ちがう」
「有利?」
 呟きに近い有利の言葉に、コンラートは首を傾げた。
「違うよ、コンラッド」
 コンラートの腕の中、有利は必死に頭を振った。
「違うんだ。あんたの考えてることは違うんだ」
「違う、とは……」
 有利は覚悟を決めた。
「好きだ」
 今度は、コンラートが小さく息を呑んだ。
「おれ、コンラッドが好きだ」
「……信じられない」
 呆然と呟くコンラートの上着を、強く握り締める。
「信じてよ」
「…………本当、に……?」
「うん」
 この想いが届くように、力強く頷く。
「俺の……願望がそう聞こえさせたわけではありませんよね?」
 問うようなその声音に、もう一度頷く。
 暫くして、コンラートが口を開いた。
「俺の……願望かとも思っていました。あなたにとっての俺は、護衛で野球仲間で名付け親で。それ以上の想いを貰えることなど、望んではいけませんでしたから。それに……大シマロンに出奔したことで、これ以上なくあなたを傷つけましたし」
「そんなこと……」
 たしかに辛い時期もあった。でも今は、こうしてここにいてくれる。傍にいてくれる。それが、どれだけ嬉しいか。
「コンラッド」
 こつん、と額をコンラートの胸に押し当てる。
 規則正しい心臓の鼓動が、少し早くなったような気がした。
「好きだ」
「ありがとう、有利」
 嬉しそうに。本当に嬉しそうにコンラートが笑った。
 抱きしめ返してくれる手が嬉しくて、有利はコンラートの上着をますます強く握り締めた。
「生まれてきてくれてありがとう、有利」
 その言葉は、今日貰った中でいちばん嬉しい言葉だった。
 大好きな人に、好きと言ってもらえること。好きと伝えられること。そして、生まれてきたことを喜んでもらえること。
「なんか……贅沢すぎる誕生日だ」
 嬉しくて、恥ずかしくて。ますます俯いた有利の耳に、優しい声が響いた。
「HAPPY BIRTHDAY Dear有利」




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