『ユーリへいかとコンラートさま』(改訂版) (フォンカーベルニコフ卿認定教科書「小学一年生 国語」から抜粋) わたしたちのくに、『しんまこく』のシブヤユーリへいかとウェラーきょうコン ラートさまはこんやくしゃどうしです。 へいかにユーリというなまえをつけたのがコンラートさまで、コンラートさまも それはそれはユーリへいかをたいせつになさっておいででした。 ユーリへいかはとてもおやさしくてあたまがよく、コンラートさまもおやさしく てとてもつよいかたでした。 ユーリへいかのははぎみはにんげんで、コンラートさまのちちぎみもにんげんで す。 そのせいでコンラートさまはまえのツェツィーリエへいかのこどもであったのに 、まぞくのなかまだとみとめてもらえませんでした。 ユーリへいかがおうさまになったばかりのころ、『しんまこく』はにんげんのく にであるシマロンとあまりなかがよくありませんでした。 20ねんまえにおこったシマロンとのせんそうで、コンラートさまがいっしょう けんめい『しんまこく』をまもったおかげで、コンラートさまのようににんげん とまぞくのあいだにうまれたひとたちがなかまはずれにされることはなくなりま したが、それでもにんげんとまぞくがなかよくなることはなかったからです。 ですから、ユーリへいかはまぞくもにんげんもしあわせになれるせかいをつくろ うとなさいました。 かぞくやともだちがきずついたりしんでしまったりしたらかなしいのは、まぞく もにんげんもおなじなのです。 ユーリへいかはまだ16さいでしたが、だれにおしえられなくてもたいせつなこ とをわかっておられました。 そしてユーリへいかのねがいをかなえてさしあげたいとおもったコンラートさま は、ひとりでシマロンへたびだったのです。 シマロンでは、たくさんくるしいことやつらいことがありました。 シマロンのこくみんは、おうさまやきぞくからひどいしうちをうけていました。 まいにちのたべるものにさえこまるひとがいても、みぶんのたかいひとたちはじ ぶんたちのぜいたくばかりかんがえて、まずしいひとたちにはみむきもしません 。 そんなくにで、コンラートさまはまぞくのよさをわかってもらうため、たくさん どりょくをしました。 なかにはどんなにせつめいしても、わかってくれないひともいます。 でもコンラートさまはあきらめませんでした。 なぜならユーリへいかがのぞまれるへいわを、コンラートさまもおなじようにのぞ み、そしてユーリへいかをだれよりもしんじておいでだったからです。 そしてコンラートさまはすこしずつにんげんたちにもしんじてもらえるようにな り、シマロンのわるいおうさまをおいだすことができました。 『しんまこく』にもどってきたコンラートさまは、それからもユーリへいかとい っしょにせかいをへいわにするため、だれよりもがんばってはたらいておられま す。 ひとよりたくさんのどりょくをすることはとてもむずかしいことですが、たいせ つなのはあいてをおもいやること、いのちのおもさをしっていること、へいわを あいするこころをわすれないことなのです。 プラウザよりお戻り下さい。
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